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 週刊スモールトーク (第137話) スパコンU〜歴史の法廷とは〜

スパコンU〜歴史の法廷とは〜

■第5世代コンピュータ・プロジェクト■
 2009年11月、『次世代スーパーコンピュータ・プロジェクト』の事業仕分けは、ノーと決まった。当然、利害関係者から反論はあったが、数値化されておらず、客観性もなく、迫力にも欠いた。ところが、野依良治(のより りょうじ)氏の発言は一線を越えていた。

 野依(のより)発言を整理すると、
1.スパコンは日本が科学立国としてやっていくために重要。
 ・あたりまえ。
2.手を抜くと中国からスパコンを輸入するはめになる。
 ・ナショナリズムに訴えた?
3.だから常に世界一を守るべし。
 ・もう5年間も1位じゃないけど、日本の科学技術はもうダメ?
4.こういうものを他の事業と同列にならべるのは間違っている。
 ・スパコン事業は、天上天下唯我独尊?

 野依良治氏はノーベル賞受賞者なので、あたかも、科学・技術分野の代表のように扱われたが、彼は『次世代スーパーコンピュータ・プロジェクト』を主導する理化学研究所の理事長、つまり、最大の利害関係者なのである。

 彼の国威高揚的な熱弁を聞いていると、27年前の『第5世代コンピュータ・プロジェクト』を思い出す。この2つの国家プロジェクトは、構図がとてもよく似ている。

次世代スーパーコンピュータ・プロジェクト
第5世代コンピュータ・プロジェクト
時期
2005年〜2012年 1982年〜1992年
目標
汎用京速計算機 人工知能コンピュータ
予算
1154億円 570億円
所管
文科省 通産省(現経産省)
開発
独立行政法人・理化学研究所+富士通 財団法人・新世代コンピュータ開発機構
成果
無し

 『第5世代コンピュータ・プロジェクト』は、通産省(現経産省)が主導し、ICOT(新世代コンピュータ開発機構)が推進した国家プロジェクトだった。今では死語同然の『人工知能コンピュータ』の実用化を目指した。エキスパートシステムが喧伝され、国民は、医師に代わって、コンピュータが診察するようになると信じ込んだ。そして、10年の歳月と570億円の国費を費やしたあげく、失敗した

 当事者たちは、「本来の目標は達成した」と言うが、その成果は地球上のどこを捜しても見あたらない。重箱をつつけば、ホコリぐらいは出るだろうが、研究者の、研究者による、研究者のための文学作品で終わったのである。しかも、この文学、今では読む者もいない。書かれた文学(ソフトウェア)は専用のハードでしか動かないし、そのハードはもう作られていないからだ。個人の趣味をポケットマネーでやるのはいい。だが、このプロジェクトに投じられた570億円は、国民の血税だったのである。もちろん、誰も責任はとっていない。もしこれが民間企業だったら、ただではすまない。

 もちろん、『次世代スーパーコンピュータ』が『第5世代コンピュータ』のような惨めな末路をたどるとは限らない。何か形にはなるだろうし、スパコンの世界ランキング『スパコンTOP500』の1位になるかもしれない。だが、1位をキープするのは難しい。次回(半年後)、1位の座から滑り落ちたら、どうするのだろう。もう一度、7年がかりのプロジェクトを立ち上げるのだろうか?仕分け人側が主張する
一時的にトップを取る意味はどれくらいあるか?
はここを突いている。

 もし、『スパコン1位』が一過性のものなら、ナポレオンの100日天下とかわらない。1位にこだわるなら、継続的なものであるべきだ。とすれば、一過性のプロジェクトなど無意味で、時間軸をもったスキームが必要になる。

■野依氏の真意■
 野依氏の反論はありふれたものだったが、問題は最後の決めセリフ…
「(仕分け人は)歴史の法廷に立つ覚悟はあるのか

 野依氏があえて、『歴史の法廷』を持ち出した理由は何か?『法廷』は『罪』を意味し、『歴史』は『時間軸』を示唆している。つまり、野依氏がこの言葉に込めた意味は、
「仕分け人は、プロジェクトを排した罪を背負う。その罪は、現世にとどまるのものではなく、時間を超えて歴史に刻まれる大罪である。それに耐える覚悟はできているのか」

 これは、神の視点で見下した発言であり、脅しであり、永遠にかけられた呪いでもある。だが、この一言は天に唾している。派遣切りが相次ぎ、新卒者の内定が最低を記録し、中小企業の経営者たちが自殺するしかないと頭をかかえる不況の中、1154億円の血税を使ったあげく、失敗しました、ですむと思っているのだろうか?そのとき、このプロジェクトを主導する理化学研究所の理事長として、
「歴史の法廷に立つ覚悟はあるのか」

 『歴史(時間軸)』をもちだすほど、高見に立つなら、『地球的視野(空間軸)』も考慮すべきだ。地球は今、水資源の危機の中にある。2000年の国連の報告書によれば、水の感染症が原因で、毎日1万〜2万人もの子供達が死んでいる。洗浄に使う真水がないため、ささいな切り傷で死んでしまうのだ。さらに、アフリカではありふれた抗生物質が買えないため、多くの人が病死している。

 もちろん、日本もすでに貧困が始まっている。需要不足からくる真性のデフレ不況が日本をおおい、回復の兆しは見えない。早期退職、正社員のリストラまで始まっている。家のローンが払えず、家を手放したり、学費が続かず、退学したり、食うに事欠いている人までいる。日本国憲法が保障した基本的人権の最低ライン、『生存権』まで脅かされているのだ

 たとえ、『次世代スーパーコンピュータ・プロジェクト』が妥当なものであったとしても、こんな国民生活の犠牲の上に成立していることを認識すべきだ。それがないから、あんな発言になるのだろう。おカネを出してくれる政府と国民はスポンサーである。そのスポンサーに理解してもらう努力を怠ったあげく、スポンサーを非難するとはどういうことだろう。

 予算の原資は限られている。だから、聖域などない。その時点の国家としての優先順位がすべてだ。ぜいたくをせず、やれる範囲でやるという地球社会の常識を思い出すべきだ。行政刷新会議は、それに基づいて、事業仕分けを行ったのである。つまり、蓮舫議員の問いかけの核心は、
1154億円を他の事業に回すより、スパコン世界一に使ったほうが、国益にかなうのか?
である。

 野依氏の反論はそこが説明しきれていない。数値化、客観性、相対性、いずれも欠いているからだ。どんな小さな企業でも、こんな説明なら、一喝されて終わり。それに、野依氏が何を言っても、メッセージは一つしか伝わってこない。
「素人にグダグダ説明してもどうせ分からん。他の事業はともかく、スパコン、科学技術振興は別格、ドンブリ勘定でOK
これは、スポンサーに対する態度ではない。

■スパコンの核心■
  さて、ここで問題を整理しよう。

 第一に、
「スパコンは日本が科学立国としてやっていくために重要か?」

 イエス。スパコンは、科学研究、技術開発、そして、国民生活にも深く結びついている。それどころか、いずれ、スパコンはコモディティ化する(誰が作っても同じ)。であるなら、今、国費を投じてもムダ?という議論は後で。

 第二に、
「スパコン開発を国が支援すべきか?」

 半分イエス。現時点では、商売になりにくい上、金もかかるので、民間企業任せにすれば、競争力を失う。ただし、長期的に見れば話は別。前述したように、スパコンは、いずれ、コモディティ化するので。

 第三に、
「次世代スーパーコンピューター・プロジェクトでやるべきか?」

 ノー。スパコンの未来は、スパコン技術ではなくパソコン技術、つまり、最も売れる技術に依存している。この『コンピュータの市場原理』が、かつて隆盛を誇った大型コンピュータに大打撃を与え、ミニコン、ワークステーションを壊滅させたのである。ところが、『文科省&理化学研究所』は、スパコン専用技術に固執している。だから、彼らが何を”手作り”しようが、5年以内に全部ひっくりかえされる

■スパコンの専門家■
 今回の『次世代スーパーコンピュータ』事業仕分けで、誰も触れなかったことがある。
「素人(仕分け人) Vs 専門家(文科省&理化学研究所)」
という図式が定着したが、本当に、
文科省&理化学研究所=スパコンの専門家?
素人とは言わないが、スパコンを開発・製造するメーカーが本当の専門家では?ところが、今回の論議では、メーカーの声が全く聞こえてこない。NEC、日立、富士通のことだ。いや、実は、NECと日立のメッセージはすでに発せられている。

 『次世代スーパーコンピューター・プロジェクト』は、当初、NEC、日立、富士通が参加していた。ところが、2009年5月、NECと日立がプロジェクトから撤退。巨額の開発費負担に耐えられないという理由だった。実際、NECも日立も本業はズタボロだし、ウソではないだろう。一方、基本設計が完了し、ノウハウはゲットしたし、製造フェイズにつきあってもカネにならないし、ここらで手を引くのがベスト?

 さらに、NECのメッセージは続く。『次世代スーパーコンピューター・プロジェクト』の事業仕分けが終了した直後、NECは米国インテル社とのスパコンの技術提携を発表したのである。NECは、インテルのプロセッサを使ったスパコンも開発・販売するという。ここでいうプロセッサとは、コンピュータの心臓部のこと。さて、これは超弩級の爆弾発言だ。なんで、マスコミが大騒ぎしないのかわからない。

 『次世代スーパーコンピューター・プロジェクト』では、『ベクトル型プロセッサー+スカラー型プロセッサー』で開発する予定だった。そして、NECが担当していたのが、『ベクトル型』。そのNECが、本プロジェクトから撤退して、インテルの『スカラー型』プロセッサーを採用する?『ベクトル型』も継続するというが、商売にならないのは見え見えで、たぶん、フェイク。このタイミングで、この内容…『次世代スーパーコンピューター・プロジェクト』へのあてこすりとしか思えない。

■ベクトル型とは?■
 ここで、『ベクトル型』と『スカラー型』について。ベクトル型とスカラー型はプロセッサーの構造のこと。高校時代に習うベクトルを思い浮かべるとはやい。日常、よく使うのはスカラー。たとえば、3次元座標なら、
x=0、y=1、z=2
と3つのスカラー値で表せる。一方、ベクトルを用いると、
a(0、1、2)
と、1つで表わせる。つまり、ベクトルは複数のスカラーをまとめて表せる

 コンピュータのベクトル型、スカラー型もこの延長でとらえてもOK。つまり、ベクトル型は、複数の演算を1回で処理できるが、スカラー型は1つ1つ順番に処理しなければならない。素直に考えれば、処理速度は、
ベクトル型 >> スカラー型

 では、世界中のスパコンは、みんなベクトル型?ところが、現実はその逆。最新の『スパコンTOP500』の主流はスカラー型。なぜか?スカラー型のプロセッサーのほうが安いから。しかも圧倒的に。

 年間販売台数でいくと、スパコンは数十台?パソコンは3億台。ケタがいくつも違う。そのパソコンのプロセッサーは、インテル製かAMD製で、どっちもスカラー型。一方、ベクトル型プロセッサは、専用に設計・製造する必要がある。どっちが安いかは明らかだ。ということで、2009年の世界のスパコンは、安価なスカラー型プロセッサをたくさん並べ、並列処理させるのが主流になっている。

 このように、世界のスパコン開発は、費用対効果(コストパーフォーマンス)を重視している。ところが、理化学研究所は、
「サイエンスには費用対効果がなじまないものがある」
と公言、世界の常識の逆をいく。1154億円をかけ、心臓部のプロセッサ、周辺ハードまで”手作り”しようとしている。まさに、カネにあかせた力わざ。原子爆弾を開発したマンハッタン計画を彷彿させる。もっとも、この計画は国家の存亡を背負っていたのだが(現実はそうでもなかった)。

■専用プロセッサ Vs 市販プロセッサ■
 さて、ここで本題に戻ろう。スパコン開発を国が援助するとして、理化学研究所主導の次世代スーパーコンピュータ・プロジェクトでやるべきか?

 まずは、費用対効果(コストパーフォーマンス)の面から。もし、文科省や理化学研究所が主張するように、本プロジェクトの目的が『日本の科学振興にあるなら、
@1台500億円のスパコンを1台。
A1台50億円のスパコンを10台。
のどっちが、日本の科学振興に役立つかだ。@は『性能』重視、Aは『費用対効果』重視。

 『日本の科学振興』をうたうからには、『日本の科学技術全体』の底上げが必要となる。それを、高性能なスパコン1台で実現にするのはムリがある。使用できる科学者・技術者が限られ、底上げにはつながらないからだ。1台500億円のスパコンでしかできないことはあるだろうが、50億円のスパコンでも、時間をかければ事は済む。さて、どっちが『日本の科学技術の底上げ』につながるか?

 つぎに、理化学研究所が執着する『性能』の面。スパコンの処理能力は、プロセッサーに大きく依存しているが、その選択肢は2つ。パソコンで使われている安価なプロセッサーか、専用に設計・製造された高価なプロセッサーか?

 普通に考えれば、用途に最適化された専用機が速いに決まっている。ところが、5年、10年と長い目でみれば、話は別。年間3億台も売れるパソコンで使われる市販プロセッサは、安いだけはない。過酷なビジネスの自然淘汰にさらされ、性能の進化もすさまじいのだ。スポットで大金をはたけば、一時、ナンバーワンになれるだろうが、その後は続かない。次世代スーパーコンピューター・プロジェクトは時間軸を忘れている

 ここで、『スパコンTOP500』の性能を時間軸でみてみよう。第1位のスコアは、2006年から2009年の3年間で6倍になっている。ちなみに、2009年のトップは1.75ペタFLOPS。FLOPSは、浮動小数点演算(小数計算)を、1秒間に何回できるかを表す単位で、スパコンの性能を表すポピュラーな指標。

 このペースでいけば、2012年は、
「1.75ペタ×6倍=10.55ペタFLOPS(ペタ:10の15乗)」
に達する。実は、このスコアは、『次世代スーパーコンピューター・プロジェクト』の目標と同じ。つまり、2012年に、『次世代スーパーコンピューター・プロジェクト』が目標を達成したとしても、1位になる保証はない

 じつは、NEC・日立が『次世代スーパーコンピューター・プロジェクト』を離脱した時点で、ベクトル型は消滅、スカラー型一本でいくことになった。富士通のSPARCチップを使うらしい。それにしても、なぜ、市販のプロセッサを使わないのだろう。米国勢が僅か20億円程度の政府援助でAMDの『Opteron』やインテルの『Xeon』を使って、1位を競い合っているのに。

 ありものを使って安く上げろ、というケチな話ではなく、ありものを使った方が、最終的に性能でも勝つという話。これが『コンピュータの市場原理』だ。もし、そんな俗っぽい市場原理が気に入らないなら、『量子コンピュータ』ぐらい目指すべきだろう。量子力学が示す摩訶不思議な現象を利用し、魔法のような超並列処理が可能になる。処理能力は、現在のスパコンの数十億倍?!桁違いなどというレベルではない。これなら、誰も文句は言わないだろう。ありものでは作れないのだから。それに、実現性という点では、先の『人工知能コンピュータ』よりはまだマシ。

■コンピュータの市場原理■
 コンピュータの開発現場を体験して、確信したことがある。
一番売れるモノが、最終的に、性能でも勝つ

 スパコン、パソコン、ゲーム機、ケータイ、すべてコンピュータだが、その心臓部にあたるのがプロセッサー。昔は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)と呼ばれていた。コンピュータのハードは、このCPUを中心に進化してきた。そして、CPU市場の最終的な勝者となったのが、米国インテル社だ。ところが、CPUが、8ビットから、16ビット・32ビットへと進化した頃、インテルは最悪だった。以下、その頃の個人的体験…

 最初に使った16ビットCPUは、テキサス・インストルメンツのTI9900だったが、インテルの8086より、高機能で高速で、アーキテクチャ(全体構造)も洗練されていた。その後、モトローラのMC68000に乗り換えたが、ハード設計が楽で、プログラミングも楽、アーキテクチャには『美』すら感じた。すべてにおいて、TI9900を凌駕していたのである。

 そして、やがて、真打ちが登場する。米国ナショナルセミコンダクター社のNS32032だ。アーキテクチャはMC6800に酷似していたが、究極と思えるほど洗練されていた。命令体系は、完全な対称性が実現され、プログラミング(アセンブラ言語)の習得が容易で、生産性も高かった。この頃が、コンピュータのハード設計者にとっては黄金期だった。

 ところがその後、パソコン市場では、インテルのx86系CPUを除いて、すべて消滅してしまった。性能で劣るCPUが、優れたCPUを淘汰したのである。理由は一つ、一番売れたから。では、なぜインテルが一番売れたのか?インテルは、8ビットCPUの覇者であり、16ビットに移行した後も、保守的な技術者に支持されたからだ。もちろん、ソフトウェアを含め、開発環境の問題もあったのだが。

 さて、この個人的体験から、どんな個人的教訓を得たか?
「一番売れたモノが、生き残る」
そして、
生き残ったモノが、最高の性能をたたき出す

■未来の勝者■
 現在、米国インテル社は、CPUシェアの80%を占め、年間売上3兆4000億円、純利益4700億円。これに比べれば、『次世代スーパーコンピューター・プロジェクト』の1154億円などゴミ。そんなモンスター企業が、スパコンに本気になったら…

 もちろん、スパコンも他のコンピュータ同様、ソフトウェアが重要だ。プロセッサーや周辺ハードだけで、性能が決まるわけではない。だが、スパコンのキモとなる浮動小数点演算(小数計算)は、プロセッサーの処理能力に大きく依存している。

 すでに、『スパコンTOP500』で主流をしめるのは、インテルの『Xeon』やAMDの『Opteron』など市販のプロセッサーだ。これらは、サーバーとよばれる高性能なパソコンに搭載されている。こんな状況を考慮すれば、先のNECとインテルのスパコンの技術提携は、インテルのスパコンへの野望を暗示している。インテルが、『Xeon』をスパコンに最適化して販売したら?いや、たぶん、インテルはそれを狙っている。

 インテルは恐るべき企業である。かつてのCPU戦争で、格上の巨大企業を葬り去った歴史をもつ。ヒト・モノ・カネをプロセッサーに集中投下し、ブルドーザーのごとく、踏みつぶし、蹴散らし、勝ち抜いてきた。あんな汚いアーキテクチャー(失礼)を、信じられないような力ワザで進化させてきたのである。そんなインテルが、本気でスパコンを狙っているとしたら…『次世代スーパーコンピューター・プロジェクト』にとっては脅威だ。国家プロジェクトではなく、商売としてやるだろうから。

 どんなにカネをかけようが、国家プロジェクトなら時限付き、いつかは終わる。一方、利潤を確保しながらビジネスとしてやるなら、半永久的に継続できる。この差は大きい。時代と分野を問わず、『時間を味方にする』は究極の武器なのだから。

 もちろん、やる前からケチをつけたり、結果だけで責め立てるのはフェアではない。とはいえ、初めから本質的な問題点が指摘され、国民の血税を使いながら、結果責任が明確化されず、やってみたけど失敗しましたなら、責められてしかるべきだろう。

 個人的には、『次世代スーパーコンピューター・プロジェクト』が何をしようが、5年以内に全部ひっくりかえされると思っている。根拠はすでに述べた。ところが、次世代スパコン予算は、最終的には復活しそうな気配だ。さて、そうなったら、このプロジェクトを正当化した人たちは、5年後、歴史の法廷に立つ覚悟はできているのだろうか?

《つづく》

by R.B


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